Waymo の安全性への影響
道路をより安全な場所に
コミュニティにサービスを提供するうえで、そこでの信頼と安全は非常に重要です。そのため、私たちは安全性に関するデータを積極的に共有しています。__これまでのデータから、現在サービスを提供している地域では、Waymo Driver により道路がより安全になっていることが判明しています。__具体的には、負傷、エアバッグの作動、警察への届け出につながる衝突を回避する能力は、以下のデータが示すように Waymo Driver が人間を上回っています。このハブでは、Waymo Driver の無人運転(RO)時の衝突率を、人間が運転する車の一般道における衝突率のベンチマークと比較しています。安全性影響分析のベスト プラクティスを採用し、Waymo の安全に関する資料を引用することで、自律走行業界では前例のないレベルの透明性を実現しました。データと手法を共有することで、安全性への影響を測定するための取り組みを社外にも広めて促進することが目的です。このウェブページに表示されているデータは、NHTSA の一般命令(SGO)の報告スケジュールに沿って、定期的に更新されます。**
Waymo Driver と人間の比較
無人運転(RO)の走行距離
2024 年 12 月までに、Waymo は無人運転で 5,000 万マイルを走行
Waymo Driver の実走行の距離は、数千万マイルにおよびます。以下のダッシュボードには、配車サービス Waymo One が提供されている都市における、無人運転の走行距離が示されています。
地域 |
2024 年 12 月までの無人運転距離(マイル) |
---|---|
ロサンゼルス |
5.165M |
サンフランシスコ |
16.032M |
フェニックス |
28.331M |
オースティン |
555K |
Waymo Driver と人間のベンチマークの比較
この表には、サービス提供地域で同じ距離を運転した場合に、人間の運転者の平均的なベンチマーク衝突率と比べて、Waymo がどの程度自動運転時の衝突(過失の有無によらず)を削減したかが示されています。減少値は、フェニックスとサンフランシスコを合わせた値と、それぞれの地域の値を示しています。結果は最も近い整数に四捨五入されています。ロサンゼルスとオースティンにおける比較は、Waymo の走行距離が十分ではなく、結果にまだ統計的有意性が認められないため、ここには記載されていません。ロサンゼルスにおけるベンチマークとの比較については、ダウンロード セクションを参照してください。
フェニックスとサンフランシスコで 5,000 万マイル以上走行した、平均的な人間の運転手と Waymo Driver の比較
83% エアバッグの作動を伴う衝突の減少率 (65 減少)
81% 負傷を伴う衝突の減少率 (154 減少)
64% 警察に届け出られた衝突の減少率 (170 減少)
フェニックス |
33 エアバッグの作動を伴う衝突の減少件数 |
39 負傷を伴う衝突の減少件数 |
77 警察へ届け出られた衝突の減少件数 |
サンフランシスコ |
32 エアバッグの作動を伴う衝突の減少件数 |
115 負傷を伴う衝突の減少件数 |
93 警察へ届け出られた衝突の減少件数 |
Waymo Driver と人間のベンチマークの比較
エアバッグ作動、負傷発生、警察への届け出あり
下のグラフは、Waymo と人間の運転手がサービス提供地域で同じ距離を走行した場合に、人間のベンチマーク衝突率と比べて、Waymo の 100 万マイル当たりの事故(衝突)数(IPMM)がどれほど減少したかを示しています。エラーバーは、IPMM 推定値の 95% 信頼区間を示しています。減少値は、フェニックスとサンフランシスコを合わせた値と、それぞれの地域の値を示しています。ロサンゼルスとオースティンにおける比較は、Waymo の走行距離が十分ではなく、結果にまだ統計的有意性が認められないため、ここには記載されていません。ロサンゼルスにおけるベンチマークとの比較については、ダウンロード セクションを参照してください。
エアバッグの作動を伴う衝突率
Location | 100 万マイル当たりの事故数(IPMM), Waymo | 100 万マイル当たりの事故数(IPMM), Benchmark |
---|---|---|
Phoenix and San Francisco | 0.29 | 1.76 |
Phoenix | 0.28 | 1.44 |
San Francisco | 0.31 | 2.31 |
負傷を伴う衝突率
Location | 100 万マイル当たりの事故数(IPMM), Waymo | 100 万マイル当たりの事故数(IPMM), Benchmark |
---|---|---|
Phoenix and San Francisco | 0.79 | 4.26 |
Phoenix | 0.74 | 2.12 |
San Francisco | 0.87 | 8.04 |
警察に届け出られた衝突率
Location | 100 万マイル当たりの事故数(IPMM), Waymo | 100 万マイル当たりの事故数(IPMM), Benchmark |
---|---|---|
Phoenix and San Francisco | 2.19 | 6.02 |
Phoenix | 2.12 | 4.84 |
San Francisco | 2.31 | 8.11 |
Waymo Driver と人間のベンチマークの比較
衝突率の差異(%)
下のグラフは、Waymo の衝突率と人間のベンチマーク衝突率の差異(%)を地域別に示しています(95% 信頼区間)。負の値は、Waymo Driver による衝突率が、人間の運転による衝突率よりも低いということです。0% をまたがない信頼区間は、その差異に統計的有意性が認められることを意味します。この割合の減少と信頼区間によって、Waymo Driver のエアバッグの作動、負傷、警察への届け出を伴う衝突の発生率が、人間のベンチマークと比べて、統計的有意性が認められるほど大幅に低いことが示されました。ロサンゼルスとオースティンにおける比較は、Waymo の走行距離が十分ではなく、結果にまだ統計的有意性が認められないため、ここには記載されていません。ロサンゼルスにおけるベンチマークとの比較については、ダウンロード セクションを参照してください。
Waymo 衝突率のベンチマークとの差分
Location | ベンチマークとの差分(%), Airbag Deployment | ベンチマークとの差分(%), Any Injury Reported | ベンチマークとの差分(%), Police Reported |
---|---|---|---|
Phoenix and San Francisco | -83.31% | -81.47% | -63.67% |
Phoenix | -80.39% | -65.03% | -56.21% |
San Francisco | -86.52% | -89.13% | -71.53% |
Waymo Driver の衝突事故のうち、速度変化が 1 マイル/時未満の割合
(デルタ V が 1 マイル/時未満)
デルタ V は、衝突時の速度の変化を表します。車対車の衝突における重大さや負傷リスクを予測する際に利用される、重要な指標の一つです。このグラフは、SGO に報告された衝突のうち、Waymo 側または相手側車両における最大デルタ V が 1 マイル/時未満(つまり、衝突によって発生した速度の変化が 1 マイル/時未満)であるものの割合を示しています。デルタ V が 1 マイル/時未満であれば、たいていの場合は軽微な損傷(へこみや傷)で済みます。このグラフには、車対車の衝突や車両単独の衝突は含まれていますが、歩行者や自転車、オートバイとの衝突は含まれていません。デルタ V は、Waymo の車両に搭載されたセンサー システムで計測された値を入力値とし、インパルス モーメント衝突モデルを使用して推定されます。注: デルタ V が 1 マイル/時未満の衝突における人間のベンチマークとの比較は、現時点では高い確度で推定することはできません。
速度変化が 1 マイル/時未満(デルタ V が 1 マイル/時未満)の SGO 衝突(%)
Location | デルタ V が 1 マイル/時未満の衝突(%) |
---|---|
PHOENIX AND SAN FRANCISCO | 47% |
PHOENIX | 43% |
SAN FRANCISCO | 49% |
Waymo 安全調査パートナー
Insurance Institute for Highway Safety(IIHS)最高研究責任者、David Zuby 氏衝突や走行距離に関する詳細なデータを一般公開することで、Waymo の透明性が高まり、独立した調査を後押しするだけでなく、社会からの信頼も増していくことになるでしょう。自動運転システムを開発、展開している他の会社にも、後に続いてほしいと考えています。
手法
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手法
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自律走行車両と人間のパフォーマンス比較
__人間が運転する車両と自律走行車両の両方の衝突データが一般に公開されてはいるものの、両者を意義のある形で比較するのは簡単ではありません。__公平に比較するためには、考慮すべき要素が多くあります。最も重要なのは次のような内容です。
- 自動運転車と人間のデータでは、衝突の定義が異なります。Waymo のような自動運転車の事業者は、物的損害、負傷、死亡につながった、あるいはつながったとされる物理的接触はすべて報告する必要があります。一方、人間の衝突データでは、警察が事故報告書を作成する程度以上の損害でなければ報告されないものがほとんどです。
- 人間の衝突は、すべてが報告されるわけではありません。NHTSA の推定によると、物的損害が発生した衝突の 60%、負傷を伴う衝突の 32% が警察に報告されていません(Blincoe 他(2023))。これに対して自動運転車の企業は、公道における自律走行の信頼性を示すために、非常に些細な衝突でも報告します。
- 負傷につながる衝突に焦点を当てるべきです。軽微な損傷で済むような低速での衝突は、すぐに修理可能な物的損害しかもたらしません。しかし最も多い事故は、このような低速での衝突です。交通安全の視点で重視すべきなのは、負傷につながる可能性がある重大事故を減らすことです。
- 事故の件数ではなく、事故率(走行距離当たりの事故数)を見るのが重要です。Waymo は、サービスを提供する都市で事業を拡大しています。走行距離が増えると、事故件数も増えていきます。事故率を正確に計算するには、走行距離の合計を考慮することが欠かせません。走行距離を考慮しなければ、実際には事故率が低下していたとしても、事故が増加しているように見える可能性があります。
- 都市の道路は、走行難易度がすべて同じというわけではありません。Waymo の運用は徐々に拡大しており、また、Waymo は配車サービスとして運用されているため、走行条件は主にユーザーの需要を反映しています。このデータハブに掲載された結果では、Scanlon 他(2023)で報告された人間のベンチマークを示していますが、Chen 他(2024)で説明されている方法で、走行条件の違いを考慮した調整を行いました。
Waymo は、自動運転車と人間のデータソースを公平に比較してこのウェブページで示すため、業界のベスト プラクティスを採用しました。分析に関しては、以下でさらに説明しています。また、Waymo の安全性に関する各種資料に、より詳細な説明があります。
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このハブで取り上げた Waymo の事故の選択方法
Waymo のデータは、NHTSA の一般命令(SGO)に沿って報告された衝突から取得されており、Kusano 他(2024)に記載されているのと同じ基準を採用しています。他の研究者が結果を再現できるように、意図的に一般公開データを使用しています。このダッシュボードに表示されたデータを NHTSA で公開されている SGO のデータで参照したい場合は、SGO レポートの ID リストと、どの結果グループに属するかを示す情報を、下記ダウンロード セクションでダウンロードしてください。Waymo の衝突率と人間のベンチマークの比較を、いくつかの衝突タイプにわたって比較します。
結果 説明 Waymo データ* 人間のベンチマーク 警察への届け出 警察への届け出がされた衝突 「法執行機関による捜査」のフィールドを「はい」または「不明」として SGO に報告された衝突。 州の衝突データに基づく警察に届け出られた車両衝突率。過少報告補正は行われていません。 負傷の発生 衝突の結果として道路利用者が負傷したもの 「最高負傷程度」のフィールドを「軽傷」、「中等傷」、「重傷」、「死亡」のいずれかとして SGO に報告された衝突。SGO が負傷の程度を不明としている、負傷程度「不明」の報告も含まれています。 1 人以上の道路利用者の負傷が報告されている、警察に届け出られた車両衝突率。Blincoe 他(2023)に基づき、32% の過少報告補正を適用しました。 エアバッグの作動 いずれかの車両でエアバッグが作動した衝突 SGO に報告された衝突のうち、対象車両(SV)または相手車両(CP)について「いずれかのエアバッグが作動したか?」が「はい」のもの。 衝突に関与したいずれかの車両でエアバッグが作動した、警察に届け出られた車両衝突率。過少報告補正は行われていません。 * NHTSA 一般命令 2021-01 の一部として提出された初期データに基づく
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人間のベンチマーク
人間のベンチマーク データは、Scanlon 他(2024)で報告されているものと同じです。このベンチマークは、現在 Waymo の自動運転サービスが運用されている地域(フェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルス)において、州警察が報告する衝突記録と自動車走行距離(VMT)から得られます。人間のベンチマークは、Waymo が運用されている種類の道路(高速道路を除く)を走行する乗用車に関する衝突件数と VMT のみを使って作成されました。負傷を伴う衝突のベンチマークでは、人間による衝突の未報告分を考慮し、NHTSA の Blincoe 他(2023)の研究に基づき 32% の過少報告補正も行いました。警察に届け出られた衝突とエアバッグの作動を伴う衝突に関する人間のベンチマークの割合は、過少報告補正を行わずに、観測された衝突数をそのまま利用しています。都市の道路は、走行難易度がすべて同じというわけではありません。Waymo が、難易度が高く、衝突率の高い場所をより頻繁に走行すれば、閑静な地域を走行した場合と比較して衝突率が上がる可能性があります。Scanlon 他に記載されているベンチマークの対象は、特定の道路や地域ではなく、都市レベルです。このデータハブで示されている人間のベンチマークは、Chen 他の 2024 年の論文に記載された、衝突リスクに関する空間分布の影響をモデル化する手法を利用して調整されています。この手法により、都市レベルのベンチマークが、Waymo の独特な走行分布を考慮して調整されます。重み付けを変える手法を採用することで、人間のベンチマークは、Waymo が最も多く走行する都市内の地域をより適切に反映します。これにより、Waymo と人間の間で、衝突データの整合性が向上します。利用可能なデータの制限を考慮しながら、可能な限りデータ調整を行う方法は、Scanlon 他、2024b で新たに公表された、遡及的な自動運転車の評価(RAVE)のベスト プラクティスに含まれています。
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信頼区間とデータ制限
100 万マイル当たりの事故数(IPMM)の衝突率に関する信頼区間は、ポアソン正確法を使って計算されます。割合減少に関する信頼区間には、Nelson(1970)に記載されている Clopper-Pearson 二項分布を使用しました。どちらの信頼区間も、95% の信頼水準で評価されました。これらの信頼区間は、Kusano 他(2023)に記載されたのと同じ手法を使用します。現在使用可能なデータには、人間と自動運転車を完全に同じ条件で比較できるものは存在しません。このページに記載されたベンチマークや比較は、この分野における最先端の研究に基づいた、現状最先端である人間と自動運転車のデータソースです。エアバッグの作動を伴う衝突の過少報告に関する推定値がないため、エアバッグ作動に関するベンチマークでは、人間のデータに対する過少報告補正は行われていません。未報告件数は、自動運転車の衝突に比べて、人間の衝突の方が多くなりがちです。負傷を伴う衝突のベンチマークには、全国の警察による事故報告、保険データ、全国的な電話調査の多項目分析に基づく Blincoe 他(2023)に記載された過少報告補正を適用しています。負傷を伴う衝突に関する過少報告推定値は、情報源が複数にわたるため、信頼区間の計算が容易ではありません。また、過少報告値が場所によって異なる可能性を示す情報もあるため、全国的な推定値は、Waymo が運用されている都市における過少報告値を正確には表していない可能性があります。エアバッグ作動のベンチマークと同様に、警察への届け出に関しては、自動運転車のデータよりも人間のデータで未報告件数(すなわち、報告基準を満たすが警察に報告されていない衝突)が多い可能性が高いものの、過少報告の予測は行われていません。これらの結果の制限に関する包括的な議論については、Scanlon 他(2024)と Kusano 他(2024)を参照してください。
- Scanlon, J. M., Kusano, K. D., Fraade-Blanar, L. A., McMurry, T. L., Chen, Y. H., & Victor, T. (2024). Benchmarks for Retrospective Automated Driving System Crash Rate Analysis Using Police-Reported Crash Data. Traffic Injury Prevention (In Press). DOI:10.1080/15389588.2024.2380522.
- Kusano, K. D., Scanlon, J. M., Chen, Y. H., McMurry, T. L., Chen, R., Gode, T., & Victor, T. (2024). Comparison of Waymo Rider-only crash data to human benchmarks at 7.1 million miles. Traffic Injury Prevention (In Press). DOI:10.1080/15389588.2024.2380786.
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よくある質問
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地域ごとのデータにロサンゼルスとオースティンが含まれていないのはなぜですか?
特定の地域の Waymo は、他の地域に比べて十分な距離の走行が行われていません。その場合、比較の統計的有意性が認められなくなります。Waymo の走行距離が十分ではない地域の結果を表示していないのは、信頼区間が広すぎて、このページに表示されているグラフの軸がひずんでしまうためです。無人運転を行ったすべての地域の結果は、ダウンロード セクションでご覧いただけます。
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ハブが、エアバッグの作動、負傷、警察への届け出を伴う衝突に関する報告を行うのはなぜですか?
エアバッグの作動、負傷、警察への届け出を伴う衝突は、軽微な物的損害にとどまった衝突より、安全性の評価に適しているためです。
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データはどれくらいの頻度で更新されますか?
この分析では、他の研究者が結果を再現できるように、一般公開されたデータ(NHTSA の一般命令(SGO)に基づいて提出された Waymo の衝突報告書)を使用しています。このウェブページに表示されているデータは、NHTSA SGO の報告スケジュールに沿って、定期的に更新されます。新しいデータの公開に加えて、Waymo RO(無人運転)サービスと人間のベンチマークの比較を行う際に使用する手法についても更新することがあります。過去のデータから安全性への影響を調べるベスト プラクティスは、日々進化しています。手法を変更する場合、変更内容に加え、それがもたらす結果やデータ解釈への影響についてもお知らせします。詳細は、ダウンロード セクションのリリースノートをご参照ください。
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使用されている手法は、外部による審査や検証が行われていますか?
この分析では、Scanlon 他(2024)と Kusano 他(2024)で説明されている手法と人間のベンチマークを利用しています。どちらの研究論文も、科学誌『Traffic Injury Prevention』への掲載が認められ、今年中に出版される予定です。引用:
- Scanlon, J. M., Kusano, K. D., Fraade-Blanar, L. A., McMurry, T. L., Chen, Y. H., & Victor, T. (2024). Benchmarks for Retrospective Automated Driving System Crash Rate Analysis Using Police-Reported Crash Data. Traffic Injury Prevention (In Press). doi:10.1080/15389588.2024.2380522.
- Kusano, K. D., Scanlon, J. M., Chen, Y. H., McMurry, T. L., Chen, R., Gode, T., & Victor, T. (2024). Comparison of Waymo Rider-only crash data to human benchmarks at 7.1 million miles. Traffic Injury Prevention (In Press). doi:10.1080/15389588.2024.2380786.
さらに、Scanlon 他にある人間のベンチマークは、Chen 他(2024)で説明されている動的ドライビング ミックス調整が適用されています。この論文は現在査読中です。
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衝突に関する過失の情報を公開しないのはなぜですか?
この分析には、過失の所在や Waymo の責任有無にかかわらず、すべての衝突が含まれています。また、衝突を引き起こした過失や要因の問題は、法的に判断されます。なお、最近査読を終えたスイス再保険会社の研究で、380 万マイルを超える走行において、Waymo Driver による対物保険の請求頻度が人間の運転手と比較して 76% 少なく、人身傷害の請求はまったくなかったことが示されています。引用:
- Di Lillo, L., Gode, T., Zhou, X., Atzei, M., Chen, R., & Victor, T. (2024). Comparative safety performance of autonomous-and human drivers: A real-world case study of the Waymo Driver. Heliyon, 10(14). https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2024.e34379
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このデータは Waymo Driver が人間より安全であることを示していますか?
この分析は、サービス提供地域において、Waymo Driver が走行した場合に、エアバッグ作動、負傷、警察への届け出を伴う衝突件数が、人間の運転時に比べて減少したことを示しています。他の研究もこの結果を裏付けており、Waymo Driver の安全性に関する利点をより確かなものにしています。さらに走行距離を伸ばすことで、データの他のサブセット(ロサンゼルス、オースティン、衝突タイプ、より重大な衝突など)でも、統計的有意性を持った結果を得られるようになります。自動運転車の安全性は、単一の指標で評価できるものではありません。ここに記載した集約的、遡及的な分析も、安全性に関する決定のライフサイクルの初期段階で行われた設計要素や予測を立証する、重要な要素の一つになる可能性があります。
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Waymo の死亡事故への影響は?
この分析では、負傷(軽傷から死亡まで)を招いたすべて衝突を検証し、Waymo Driver が人間のベンチマークと比べて優れていることを示しています。Waymo Driver は、NHTSA の最新データに基づく死亡事故の主要な原因(スピードの出しすぎ、飲酒運転、不注意運転、シートベルト未着用)を本質的に減らす、またはなくすように設計されています。さらに走行距離を伸ばすことで、データの他のサブセット(ロサンゼルス、オースティン、衝突タイプ、より重大な衝突など)でも、統計的有意性を持った結果を得られるようになります。自動車の安全性に関してこれまで行われてきた技術革新と同様に、技術が広く普及して走行距離が蓄積する前に、潜在的な影響を判断する方法もあります。たとえば、アリゾナ州チャンドラーで発生した人間の運転手に関する死亡事故を再現した調査では、Waymo Driver が加害者側であった場合は 100%、被害者側でも 82% の確率で死亡事故を避けられたという結果が、シミュレーションにより導かれました。このような研究は、Waymo の安全対策判定プロセスと組み合わせることで、Waymo Driver が重傷事故や死亡事故を大幅に削減する可能性があることを示しています。
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ダウンロードできる Waymo SGO データに、衝突の日付、地域、郵便番号が含まれているのはなぜですか?
この情報は事故を分析し、理解するために重要ですが、NHTSA SGO では入手できないためです。
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データをダウンロード
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地域ごとの走行距離(マイル)
サンフランシスコ、フェニックス、ロサンゼルス、オースティンでの合計走行距離(マイル、2024 年 12 月まで)
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SGO の ID と属するグループ情報付きの衝突データ
2024 年 12 月までの警察への届け出、負傷の発生、エアバッグ作動、デルタ V が 1 マイル/時未満、その他の関連衝突情報(日付、地域、郵便番号)
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結果と地域別の衝突数およびベンチマークとの比較
結果や地域ごとに集約(2024 年 12 月まで)
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ベンチマークと Waymo 無人運転走行距離の地理的分布
2024 年 12 月までの S2 セルで報告された、異なる結果レベルの人間のベンチマーク衝突数、人間の車両走行距離(VMT)、Waymo の無人運転走行距離。この情報は、動的なベンチマーク調整を再現するために利用できます。
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リリースノート
データハブで使用されているデータや手法の変更に関する説明、過去のデータへのリンク、データ辞書。
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